以下インポーター資料です。
リヨンから東へ約一時間山間に入っていくと、ビュジェの生産地が始まる。
アルプスを東に控え、このあたりにくると空気が澄んでくる。
ヴィルボワ村は渓谷の入り口にある静かな村。
ピアニストのグリナンは、パリに住んでいる時にヴァン・ナチュールに出会い、
すっかりとりつかれてしまう。実家で父が庭のような畑でガメイとピノ・ノワールを栽培していたので、
1998年、村に帰ってワイン造りを開始。急峻な畑は、大変な手間がかかるが、
グリナンは時たま訪れる友人の手を借りる以外はほとんど一人で働いている。
家の一階にある数坪のセラーに、ホーロータンクが2つと、フードルが1つ、樽が2つ。
フランソワの人柄に惹かれて訪ねてくる友人たちの間で売り切れてしまうような量。
ビュジェのワインというより、フランソワ・グリナンのワインとして
パリで人気が高くなり、ビストロでも見かけるようになった。
<栽培・醸造>
ヴィル・ボワ村は山間部へと続く渓谷にあるため、ぶどう畑は標高約250mの斜面に点在します。
この地は夏でも夜間は冷涼な風が吹くため、ワインにフレッシュ感が生まれます。
ピノ・ノワールが植わる「レ・ゼタップ」の区画は、コート・ロティの畑のように
歩くのでさえ大変な急斜面。畑の周りは季節の草花が、絨毯のようにさまざまな色の花を咲かせています。
醸造面では培養酵母や酵素は使わず、補糖や清澄、濾過もしません。
現代では当然となった醸造技術や人的介入を控えたワイン造りをするには、
有機栽培で育てた健全なぶどうが必要です。例えば合成化学物質の農薬を使ったぶどうには
野生酵母が少ないため、酵母添加しなければ発酵が安定しない場合があります。
有機栽培のぶどうは野生酵母の数が多く活力があるため、作柄が不安定な年でも問題なく
発酵が進んでくれるようです。
また、亜硫酸を使わずに発酵から熟成まで進めますができる限り空気と
接触させずに造る必要があるため、ワインが還元状態に陥る可能性が上がります。
その可能性を下げるためには、ぶどうが育つ段階から考えなければなりません。
堆肥が多すぎると地中の窒素量が増えて還元しやすくなりますし、反対に少なすぎると
発酵の妨げになってしまうようです。
AOC法では2009年から「AOC Vin de Bugey」を名乗れますが、それを用いずVDTにすることに決めました。