グロ家の次男ベルナール・グロ氏が所有するブルゴーニュのトップドメーヌです。現在はベルナールの息子さんヴァンサンに引き継がれました。
ジャン・グロの次男として生まれ、子供のいなかった叔父・叔母のドメーヌである「ドメーヌ・グロF&S」を1980年より引き継ぎました。
好奇心旺盛で、品質の更なる向上の為に先進機器を用いた醸造技術の導入に力を注いでいます。
ベルナールの造るワインは兄ミッシェルのエレガントさ重視とは対照的に、とても活き活きとして力強く、パワーを感じるワインに仕上がっています。
現在はベルナールの息子さんヴァンサンに引き継がれました。
ヴァンサン・グロ率いる新生グロ・フレールについての露出の少なさは各社含めて情報の乏しさも相まっているように思います。
グロ・フレール&スールの名前を一躍知らしめたベルナール・グロ。息子のヴァンサン・グロがドメーヌに戻り参画したのは2009年。
除草剤をやめ除草のための機械を取り入れ、少しずつ変革が始まります。
トネリエと話し合い、樽のための木材から過失の温度、材質や乾燥の方法…現地雑誌でヴァンサン・グロはこのように語っています。
『私たち(若き当主ヴァンサンは一人称を“私”ではなく“私たち”とします)の16の区画はすべて同じもので同じ葡萄です。
同じ樽の中で同じ手法で醸造しています。私たちはすべてのワインに対して同じように接し、同じだけ注意を払います。
土地と地勢が違いを生むのです。ヴィニュロンはワインにアイデンティティを与えます。
しかしながらテロワールこればかりは私たちの手を逸脱した魔法なのです。私はビオの方法を適用しようとは思いません。
自然の求めるままにすることと技術の進歩を利用することの中間で私たちは正しい均衡を見つける必要があります。』
以下リアルワインガイド79号より抜粋
訪問時、ヴァンサン・グロはどうしても畑から離れられず、急遽マーケテ ィング担当の方が応対してくれた。
そして、1本目の試飲を終えてビッ クリすると同時に「やはり」と思った。19年よりナチュラル感が更に増 している。
そして液体はなんと薄め。父ベルナール・グロ時代のたっぷりと濃厚で甘めのワインといった造りから驚くべき変貌だ。
ご存じの通 り、ヴァンサンは16年にいきなりSO2ゼロとし、ナチュラルワインの風 味に仕上げた。
しかし、従来の顧客からのクレーム殺到で18年は元に戻 して一般的なワインとした。
ところが編集部で試飲した19年は明らかに ナチュラルワインの風味を感じるキュヴェがいくつかあり、ヴァンサン はバレにくいように自分が造りたいスタイルにしたと感じた。
そしてこ の20年。「もうバレてもいいや」と思ったのかどうか、ワインは全キュヴェがナチュラルな造りで、いくつかのキュヴェはまんまナチュラルワインの風味だ。
そして、それがメチャ美味しい。彼の果敢な挑戦は今後も続くのは間違いない。
なお、ドメーヌの公式なメッセージは「SO2無添 加は伝統的な顧客からの反応が良くなく、満足してもらえるワインを造ることが最優先のため、現在は止めています。
シュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジィ2020年は、ビン詰め時の若干の添加のみで造っています」 だ。
これ建て前というかウソ。 だってワインの味はウソをつかない。
以上リアルワインガイド79号より抜粋