以下インポーター資料より抜粋
突然の訃報、大いなる遺産
ピュイ フュメのトップワイナリーであり、ロワール最上の生産者の一人にも数えられるディディエ ダグノー氏が急逝したのは2008年の9月。
あまりに突然の訃報に多くの悲嘆と混乱の声を耳にしました。
あの痛ましい事故の後も、ワイナリーとしてのディディエ ダグノーは、歩みを止めることなく挑戦を続けています。
現在は、ディディエの子息であるルイ=ベンジャマン ダグノーが多くのスタッフと共にワイン造りにあたっています。
偉大なる父を持ったプレッシャーは計り知れないものですが、父の哲学でもあった「挑戦」と「不屈の闘志」を心に秘め、素晴らしいワインを生み出しています。
しかし、偉大なる父が残したのは、哲学や精神といったものだけではありませんでした。
長年にわたって細部まで手入れをされてきた畑は、コンディションが非常に良く、ピュアなテロワールの表現を可能としています。
その畑を管理しているのは、長年一緒に働いてきた経験豊富なスタッフ達で、その人数も通常のロワールのワイナリーでは抱えきれないのではと思うほどに豊富です。
ひとつひとつの区画に専門のスタッフを配し、さらにはトラクターなどの農機具も区画ごとに多数・多種用意されています。
畑のケアという観点においては、ここまで恵まれた環境自体が稀です。
醸造所においてもプレス機や醸造槽、熟成用の樽など、ありとあらゆる設備・資材が最上のもので準備されています。
確かにディディエ ダグノーはロワールで最も成功した生産者です。
一代でこれほどまでの名声を勝ち得た生産者は他に類を見ません。
しかし、名声や成功に甘んじることなくワイン造りに打ち込んでいたことは、栽培や醸造をめぐる環境を見れば明らかです。
彼はワイン造りで得た多くの財を再びワイン造りに投資していたのです。
完璧とも言える設備や環境はそのままワインの品質を支え、ディディエ ダグノーのワインを更なる高みへと昇華させました。
「恐れることは何も無い、ただ魂をワインに込めるのみ。」
異端児とも言われる氏ですが、ただ実直にワイン造りに打ち込みたかっただけなのかもしれません。
父、ディディエ ダグノーが残した大いなる遺産は、残された者に希望と勇気を与えました。
子息のルイ=ベンジャマン ダグノー氏が、ワインの熟成を見守ったヴィンテージや醸造を担ったヴィンテージをテイスティングすると、
揺らぐことの無いディディエ ダグノーの味わいがそこにあります。
ここまで軸がぶれないものなのかと驚きを隠せませんが、畑やワインに注がれた愛情の深さを知れば納得の仕上がりであるとも言えます。
父から受け継いだ大いなる遺産は、素晴らしいワインを生み出すために必要なありとあらゆる哲学、環境、設備です。
しっかりと大地に根ざしたディデエ ダグノーのワインは、揺らぐことなく感動を与えてくれます。