以下インポーター資料より抜粋しました。
2014年に渡伊。ミラノでソムリエとして働きながら夢であったワイン造りを目指して、ワイン生産者達を訪問。翌2015年にリストランテを退職し、カーゼ・バッセの門をたたく。
日本でソムリエとして働いていた時からカーゼ・バッセのワインには格別の敬意を払ってきた。
当主ジャンフランコ・ソルデラの厳しい性格は以前から聞き及ぶところではあったが、働きたい旨の手紙を出したところ、面接を許され、その日のうちに働くことが決まった。
その1年間は畑やセラーでの作業に加え、訪問顧客対応、レストランでのサービスまで、多岐にわたる仕事を与えられた。
が、その分ジャンフランコと過ごす時間は多く、その背中を追いながら、往年のヴィンテッジを飲む機会にも恵まれ、自身のワイン造りの信念が確立されていったと及川氏は語る。
その後もサンジョヴェーゼの造り手を選び、カステッロ・ディ・アマとパーチナで正規職員として栽培・醸造を学んだのち、
キアンティDOCGのエリアにあるモンテアペルティに1.1ヘクタールの畑を借り、2020年に独立開業した。
【畑と栽培について】
2020年に最初に借りたモンテアペルティの畑はキアンティ・コッリ・セネージ内にあり粘土の多い石灰質土壌。
農薬は銅と硫黄のみの散布で、絞ったあとのブドウの果皮は、畑に撒いて肥料とするがそれ以外の肥料は使用せず、
むしろ畑全体の樹勢が強いため不耕起栽培を行うことで、樹勢を抑えている。
2023年には、サン・ロッコ・ア・ピッリの畑を新たに 0.8ha借りて栽培面積を増やしたが、初年度はこの年トスカーナを執拗におそったベト病により、収穫はかなわなかった。
さらに収穫量の少なさから 2023年はブドウも購入したが、出来ることならば自社畑のブドウだけで行いたいと考えている。
2024年1月には、一部樹齢 50 歳以上の古木も植わるカステルヌオーヴォ・ベラルデンガの2つの区画(カンピとセスタッチャ)合計1.3haを賃借し、
自身の追い求める高い品質のサンジョヴェーゼの栽培のために余念がない。
【セラーと醸造について】
セラーはカステルヌオーヴォ・ベラルデンガ地域に借りている。
地上階の石造りで手狭だが、断熱性に優れ、ソムリエとして多くのワインを扱ってきた経験からも、ワインの熟成、ボトルの保管の環境や温度については細心の注意を払っている。
理想的には大樽での醸造を目指してはいるが、醸造環境が整うにはまだ時間がかかるため、醗酵にはステンレスタンク、熟成には 500L の木製樽を使用。
「とにもかくにも適切な栽培、適切な成熟度での手摘みによる収穫、
そしてとことん選果をすることが重要。
ワインがテロワールを表現しているのかというよりも、造り手として妥協せず情熱と時間をかけ、そしてそれが品質として表れているのかという点を評価してほしい。
後何回醸造ができるか分からないが、必ずや偉大なサンジョヴェーゼを醸造してみせる」と意気込む。