ラ・トッレ・アッレ・トルフェは、2011年を最後に惜しまれつつ閉鎖となったあのポルタ・ディ・ヴェルティーネのジャコモ・マストレッタ氏が醸造長を務めています。
以下インポーター資料より抜粋
(2020.2 入荷時の資料です)
ラ・トッレ・アッレ・トルフェは、シエナ近郊のトルフェ村にある農園で、中心部にある塔(Torre)は8世紀に建てられたものです。
塔は修復された住居や館、ブドウやオリーブの植わる庭園に囲まれ、牧歌的な風景が広がります。農園のすべてがカステッリ家が所有しており、バイオロジック栽培のブドウのワインや、エクストラ・ヴァージン・オリーブオイルを生産しています。
ここで働く、心から信頼のおけるスタッフのほとんどは、彼らの人生の
多くの時間をこの農園とともに過ごし、手助けしてくれています。スタッフたちとは強い絆で結ばれており、数十年にわたり働いてくれている3つの家族が彼らの活動を通じて、トッレ・アッレ・トルフェに”命“を吹き込んでくれています。
文献で確認できる、この農園でのワイン造りは1316年までさかのぼるが、カステッリ家のストーリーは1950年代に、ルイージ・カステッリと妻のルネッラ・モルフィーニが館とそれをとりまく農園を購入したことから始まります。現在はマニアとマークと彼らの娘たち4人が、トルフェ村のカステッリ家の第4世代として、農園を管理しています。
ワイン造りについて:
ラ・トッレ・アッレ・トルフェはキアンティ・コッリ・セネージ地区に13haのブドウ畑を所有し、そのほかにもオリーブ畑、森、草原を合わせると100haを所有しています。海抜330mの丘にあるブドウ畑には、常に風が吹き、乾燥した環境に保たれています。排水性に優れ、砂質の含有量は比較的高く、この土壌の独自性を活かすワイン造り、ブドウ栽培を目指しています。また、この地の土壌の驚くべき特異性は、その海洋生物の化石の多さです。丸みを帯びた小石や、貝殻からも、300から500年前にこの一帯が海岸だったことがわかります。栽培されるブドウの大半はサンジョヴェーゼでカナイオーロ、コロリーノ、チリエジョーロなどの自品種も植えられ、グイヨーで仕立てられています。
2003年からバイオロジック栽培を実践しており、より自然で、持続可能なワイン造りを常に模索している。手作業を惜しまず、土壌を踏み固めるトラクターで畑へ入ることは極力避け、雨季の土壌流出と乾季の土中の水不足を緩和するため下草は残してある。
2017年から、農学者である、ステーファノ・アマデオのコンサルタントを頼みながら、ブドウ畑の土壌や生物多様性の分析に力を入れ、植物やその花粉を運ぶ土着の虫たちを始めとする、畑のエコシステムへの理解を深め、畑への介入の方法を日々改良しています。醸造においても、農園全体の運営方針と同じく、持続可能な、すなわち近代醸造技術に頼りすぎない、介入の少ないワイン造りを心掛けており、それに共感する、醸造家とともに、ワイン造りをしている。
【ジャコモ・マストレッタ】
2018年には、醸造家のジャコモ・マストレッタを迎える。ジャコモの前職場であったポルタ・ディ・ヴェルティーネでのワイン造りの考え方と、ラ・トッレ・アッレ・トルフェの農園やワイン造りの哲学に共感し、醸造を引き受けることになりました。両者に共通するワイン造りの考えは、健全なブドウの栽培に何よりも重きを置き、醸造においては、近代技術による介入を極力行わないというもの。