ガントワ家は「コート・デ・ブラン」のオジェ村に19世紀から続くヴィニュロンの名家で、1976年より6代目当主ヤニック・ガントワが運営しています。
長らく「ガントワ・ヴァレ」の名称でRMを運営していましたが、1997年に、同じくヴィニュロン家出身のカリーヌ・ルーヴェを奥様に迎え入れたことで、
「ガントワ・ルーヴェ」にバージョンアップしました。
ヴィニュロンの道を一筋に歩み続け、2021年に生涯45回目の収穫と醸造を行った、オジェ村の巨星。
「私たちオジェ村の若手ヴィニュロンたち全員から、父のように慕われています。栽培と醸造の極意を会得した達人であり、いつも優しい笑顔で、
私たちに多くのことを教えてくれます」(「アンリ・ド・ヴォージャンシー」当主パスカル・アンリ)。
ボトルにエッチングされたカエルは「オジェ村のシンボル」で、この村を訪れると、軒先のあちこちでカエルをモチーフにした飾りやオブジェを見つけることができます。
作品名「キュヴェ・デ・ボトレ(ボトレのキュヴェ)」の「ボトレ」は、「小さなカエル」というもともとの意味に加えて「オジェ人」の愛称でもあります。
「夏の夜、お城の堀のカエルの鳴き声がうるさくて眠れなかったオジェ村の領主が、村人たちを毎晩駆り出して堀の“水を打ちつけさせた”という中世の故事
(“無駄骨を折る”という意味の慣用句)や、18世紀のある日、オジェ村の丘の上にある3つの大きな池に生息していたカエルたちが大挙して村に押し寄せ、
家々の中まで入り込んできたという逸話などによって、いつとはなしに周りの村の人たちから、オジェ人=「カエル人」と呼ばれるようになったのです!」。
「3つの池を中心にこの村には今でもたくさんのカエルたちが暮らしていますが、農薬が普及する以前は、カエルたちが害虫を食べてくれていました。
この村がシャンパーニュの歴史に偉大な足跡を残してこれたのも、この「畑の守り神」のおかげなのです。
私は、オジェに生まれ、オジェの人たちに
助けられながら、オジェに生きてきました。
この村の子供たちや若者たちの未来のために、観光も含めて少しでもこの村に関心を持って欲しい。たとえ微力でもこの村に恩返しをしたいと思い、
私たちのシンボルをボトルに掲げることにしました」
(ヤニック・ガントワ)。
所有畑はオジェに4.9ヘクタール、クラマンに1.1ヘクタールで、フラッグシップ「キュヴェ・デ・ボトレ」は、オジェ50%、クラマン50%のブレンドです。
「コート・デ・ブランの主要4村それぞれのシャルドネの特徴を一口でまとめると、クラマンは柑橘系の果実味と鮮度感、アヴィズは口当たりのまろやかさ、
オジェは酸とミネラル、ル・メニル・シュル・オジェは凝縮感と力強さです。ミネラルは4村すべての特徴ですがテロワール的にもオジェが筆頭です。
このうちクラマンとオジェを同比率でブレンドすることにより、ふっくらとして爽快な果実味と、たっぷりとした酸、ミネラルの深い塩味を、1本ですべて楽しむことができます。
そしてこのブレンドによる醍醐味は、3年間以上ビン熟成させることによって短・中・長期的に最大となります」。
2021年には、エノログ(ワイン醸造技師)の難関国家資格を持つ息子のフロリアンが大手メゾンでの修行を終え、満を持して参画。
偉大なお父さんの志を継ぎ、オジェ村に新たなる光をもたらす希望の星となってくれることと思います。