以下インポーター資料より抜粋
イタリア最大、世界的にも最大級のワイン展示会として知られるヴィニ タリー (Vinitaly) の開催地である州都ヴェローナ。
そこから東に16kmに位置する人口8,500 人ばかりの小さな町、ラヴァーニョ。
この町の古い畑でブドウを栽培、ワイン造りをしているのがシルヴィア テッツァ、イル ロッコロ ディ モンティチェッリ”の若きオー ナーです。
もともと自然や植物が好きだったシルヴィアは、自然との触れ合いや地域の特性や生物多様性を守りながら人間の活動を融合していく仕事として農業を学びたい、と考えていました。
その想いを胸にパドヴァ大学で農学を専攻しましたが、学んでいくうちに自己矛盾を感じ始めます。
なぜならば大学で教わることは集約的で資源を浪費する現代農業である反面、彼女が求めていたのは、環境を破壊することなく豊かにし、調和させる健全な農業だったからです。
幸いなことに、彼女の叔父であるマウリツィ オ (レストラン経営者)のおかげで、自分が思い描いていた農業が可能であること、そういう働き方をする人々がいることを知ります。
「もし自分が 畑を持つことができたら、彼らのように生物多様性、地域の特色の強化、多様化に取り組ん でみたい」と考え始めました。
その第一歩となったのが、シルヴィアが学生だった20歳の時、マウリッツィオと一緒にワインを造り始めた事でした。
しかしこの時点では自宅で消費のワイン造りというレベルでしたが、2015年の秋に大学の修士課程修了と同時にイル ロッコロ ディ モンティチェッリを 立ち上げます。
とはいえ、ワイナリーが軌道に乗るまでの実績や経済的基盤を作る為、当初の約2年間は他のワイナリー等で働きながら、時間がある限り自分のブドウ畑の管理に努めました。
そして、2017年末ようやくワインをリリースし、デヴューを飾りました。
ワイナリー名のロッコロとは野鳥を捕獲するために使われていた狩猟用の塔のこと。
畑の所在地であるモンティチェッリ地区にたたずむロッコロは若い ワイナリーのお目付役とも見えるしランドマーク的な存在とも言えます。
イル ロッコロの畑は現在約3.5ha。ヴェローナとソアー ヴェの間の石灰岩の丘陵地帯に位置しており、
1960年代から続くブドウ畑で ガルガーネガ、トレビアーノ ディ ソアーヴェやコルヴィーナといったこの 地域の土着品種を栽培しています。
シルヴィアにとって幸いだったのは、この土地を家族が所有していたことと、計画のあった土地開発が頓挫したこと。
そのおかげで古いブドウの木は 今も元気に実をつけてくれています。
畑では土壌と生物多様性に十分配慮した仕事に取り組んでおり、できうる限り自然の状態を保った栽培方法を行っています。
化学肥料、除 草剤、殺虫剤を使用しないのは当然のことながら、灌漑や施肥も行わず草刈りも必要最低限に抑え、受粉の役割を担う虫を大切にし、
ビオディナミによる調剤やハーブ類を使うことで、銅と硫黄の使用量すらも最小限に抑えています。
セラーにおいては、出発点であるブドウの個性を最大限に引き出すことが重要と考えており、以下の醸造ポリシーを掲げています。
(1)二酸化硫黄を使用せず、発酵中に長期間のマセラシオンに耐えうる健康なブドウのみ使用。
(2)土着酵母による自然発酵。
(3)各ワインが瓶内で進化する為、亜硫酸塩無添加。
(4)ワインを貧しくしない様に、無濾過。
(5)品種とヴィンテージに応じたマセラシオンを行ってポリフェノールを抽出。
(6)スパークリングワインは、瓶詰めまで冷却された同じブドウから得られたマストの添加に よる瓶内での自然再発酵のみ 。
彼らのワイン造りは『こういうワインにしよう』と決めて始めるものではなく、 毎年ブドウが与えてくれるものに耳を傾け、
そのヴィンテージのベスト バージョンをボトリングすることに心を砕いていまる為、ブドウ、季節、テロワールの現実を見つめて、生まれるもの。
葡萄栽培、醸造、出荷作業、試飲会への参加等々、全て自分でこなしているシル ヴィアですが、自然とワインを愛する彼女にとってはハードな毎日を充実した時間として楽 しんでいます。
これからのイル ロッコロ ディ モンティチェッリ、そしてシルヴィアのさらなる活躍は間違いないでしょう!