エキューム・スヴニエール・エクストラ・ブリュット・プルミエ・クリュNV (2022)
買い葡萄によるネゴシアン・マニュピランで仕上げる新感覚の生産者、エキューム(ecume)のシャンパーニュです。
※生産者情報はページ下部をご参照ください。
1級ヴリニーのピノ・ノワール、ピノムニエ、シャルドネを1/3ずつのセパージュで造られる柔らかく軽快なシャンパーニュです。生産量僅か1500本の貴重なシャンパーニュです。是非、ご検討下さいませ。
以下インポーター資料です。
ブドウ品種:ピノ・ノワール1/3、
シャルドネ1/3、ピノ・ムニエ1/3
畑・土壌:Vrigny村 石灰岩基盤岩の土壌
醸造・熟成:
海外での経験、インスピレーションを反映させ、何者でもない独立した存在のシャンパーニュを目指します。天然酵母、3品種の混醸造、MLFさせます。二次発酵前のヴァン・クレールは主にタランソー産の古樽と60Lのガラス瓶ダム・ジャンヌで熟成。清澄せず。ドサージュ4g/L
2022年、予想していた通りですが例年より少し早い収穫となり成功を収めました。完熟しており果実味が豊かに感じられる素晴らしいヴィンテージです。最大の課題は、果実が十分な酸味とフレッシュさ、とりわけ私が求めるわずかな苦みを維持できるかどうかがポイントです。
ドサージュ
このワインのためにドゴルジュマンの数日前に調合した特別なリキュールです。60年代のピノ・ノワール シャンパーニュをSur pointeで熟成させたもの、そして特別なシャルドネをブレンドしたものとなります。ラベル 4000万年前、始新世の時代、シャンパーニュに存在した熱帯の海の起伏と反射を表現しています。
抜栓直後からドサージュ由来ではなく完熟由来の開放的な香り。洋ナシ、甘く熟した蜜リンゴの擦りおろし、ごくわずかな酸化のアクセント。奥から上昇するホイップクリームやシュー生地を思わせる香味、決して樽だけに由来しない香ばしさ。口に含んだ瞬間から遮蔽物無く水平に広がる果実がエチケットの世界のように鏡面に反射して上下に膨らみ球体を造る。まだ若いワインにも関わらず泡がワイン本体に溶け込み半エキス化して重さの無い無重力なムース状の質感。中間から後半にかけて果実が失速したり霧散することなく、酸の支えが浮遊する果実を照らし出して実体化するような錯覚。レンブラントの絵画のような光を当てて陰影を描くような世界観。外観、持続性、外観で判断されるような露骨に強いガス圧を感じさせず泡が果実に飲み込まれたようなタッチ。亜硫酸添加の少なさに由来する遮蔽のないパノラマ的な果実の拡散。甘さではなく時間軸を繋ぐ発想のドサージュならではのフレッシュさと熟成感の二律背反性。ランスの冷涼な酸主体の味わいとも、メニルの高い緊張感を持ったスタイルとも異なるふんわりと空気を含んだような質感とチャーミングな果実味はまさにヴァレ・ド・ラ・マルヌ的です。生産量1,500本というごく少量のプロジェクトだから成し得る世界観を追いかけて欲しいです。
(2025年7月 村岡)
(インポーター:オルヴォー)
商品コード:19044
エキューム(ecume)
以下インポーター資料より抜粋しました。
すべては私の祖父母の代から始まりました。
彼らは共に葡萄栽培農家からヴィニュロンとして新たな挑戦を目指していたのです。
ヴァレ・ド・ラ・マルヌで自社ワインを造るため、右岸のFleury-la-Rivière(フルーリー=ラ=リヴィエール)ではピノ・ムニエ用に、
左岸のMardeuil(マルダイユ)ではピノ・ノワール用に最初の圧搾機を購入しました。
祖父母のシャンパーニュは少しずつ拡大していきました。
古い写真に二人の初めてのスペイン旅行が記録されています。
バカンスの間、二人はバルセロナ北東にある海岸リゾート地、コスタ・ブラヴァに航海に出かけました。
私たちのカーヴは始新世の砂と石灰岩から成る地層、フルーリー=ラ=リヴィエールとマルダイユに位置しています。
19世紀に掘削された石灰岩の地下カーヴは第一次世界大戦の際には病院としても使用されていました。
現在ではシャンパーニュの醸造と熟成、貯蔵に利用されています。
1960年代、それは喜びと解放の時代です。
ビッグサイズの眼鏡、トラペーズドレス、サファリジャケットを私たちにもたらしてくれた時代、
芸術家たちが創造性とインスピレーションの海に浸かっていた時代です。
秘密のリキュール
現在、多くのシャンパーニュに用いられるドサージュのためのリキュールは時に黒色を帯びていたり透明だったりします。
これは数世紀に渡るシャンパーニュの歴史とワイン造りにおける大事な要素です。
私は祖父母の最初のヴィンテージとなる希少なシャンパーニュを用いて糖度の低い門出のリキュールを造りました。
時間軸の異なる香りの流れをワインに与えたいのです。
インスピレーション
それはすなわち想像力と新しい味わいの発見です。
私は祖父母から受け継いだシンプルなワイン造りを実践しています。
それは決して最新の設備や容器を使うような贅沢なワイン造りではありませんが、大きな意味を持っています。
空調を必要としない涼しい地下カーヴでヴィンテージによって酸化防止剤の使用有無も変えることが出来ます。
私は誰も排除しないワイン造りに胸を張っていたいのです。
私のワイン造りの旅、冒険への情熱はイタリアのトスカーナ州シエナの大きなヒノキの樹の下から始まりました。
オレゴンの森を流れる川を散歩して、オーストラリアの海岸線をアデレードからケアンズまで旅しました。
日本では複雑で香味の高い味覚を理解する決定的な分岐点となりました。
2年間、文化、言語、ガストロノミーを学びました。
家族、そしてシャンパーニュの地から離れた私の旅は様々な価値観のバランス、感覚の探求でした。
私がリリースする初めてのシャンパーニュは私の旅の記憶と物語、そして私があなたに送るワインのプロフィールに基づいて描かれています。
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