<以下ラシーヌ・合田さんのコメントです。>
二人のワインを初めて味わったときの驚きを忘れることはできません。
私の記憶の中にあるワインとまったく異なる世界を持った味わいだと、試飲した瞬間に感じました。
内側から高貴な輝きがあり、味わっていると、とても静かで落ち着いた気持ちになります。
高潔な人格を備えているようなワインに、心から感動しました。
ワインの感じ方、評価の仕方だけでなく、自分の持っていた基準まですっかり変わったように思いました。
優れた造り手は一様に、「ワインは畑で造るもの。
セラーでは可能なだけ手を加えず、 ゆっくりと見守るだけ」と言います。
が、彼ら夫妻ほどその言葉を現実に実践し、比類のないレヴェルで実現できている人が、ほかにどれだけいるでしょうか。
それだけでなく、ワインが本当に美しいのです。
ミネラルではなくエネルギーを感じ、 強さとエレガンス、澄んだ味わいと複雑さが同時にあり、
しかも軽やかですから、まるでワインの中にユニークな宇宙が存在しているかのように実感するのです。
用いられている品種は、ソーヴィニョン、メルロー、マルヴァジーア、シャルドネ、 ジャロトカーイ。
いずれもHistorico(歴史的、古典的)と呼ばれる、何百年も前にフリウーリ地方に伝わり、完全に土地に適応して馴染みきった品種を栽培しています。
多雨がちな当地の湿気から守るために、伝統的な高さの1.6mほどで仕立てます。
草は取り除かずに益虫と共存させ、グリーンプルーニング(5~6月にする、新芽の剪定)をしなくても、過不足なく葉が茂ります。
その結果、小粒のきれいな実ができるわけです。
当地の他ワイナリーと比べて収穫が3週間遅くてもフレッシュさは損なわれなく、
酷暑にみまわれる年でも畑にはストレスがないという具合で、環境と絶妙なバランスがとれています。
理想的なバランスが畑の中で完結するようになるまで、どれだけの実験とハードワークが重ねられ、経験の中からの試行錯誤が繰り返されたことでしょうか。
畑に立つと、すがすがしさが体いっぱいに満ちてきます。
自然と調和がとれた畑だからこそ、個性的でかつ美しいハーモニーを備えたワインが生まれるのです。
考えぬかれた、献身的なワイン造りが、飲み手に深い共感の感動を与えるのでしょう。